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うたうたいが器楽をするとき

TRの私書箱宛のメッセージより。

「質問なのですが指揮者様の仰った、『器楽奏者には声楽を』の
効果はどういった事が挙げられるのでしょうか。僕もチェロを弾いていますので興味を持ちました。」

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しばらくねかせておいた「宿題」です。TRの実体験を書かせていただきます。

TRの場合、「チェロ」を習い始めてほんとうによかったなぁ、と思っています。

【その1:自分自身が「楽器」であるという自覚を持つようになりました】

「うた」から「おんがく」を始めたTRです。
「うた」って、からだひとつでできるし、家にピアノがなかったTRにとっては、「エコノミー」で気軽に始めることができました。

でも、「うた」って、発声が「正しくて」も「間違っていて」も「音だけ」なら誰でも簡単に出すことができるんです。この点が「うたうたいの功罪」です。

最初にきちんと「正しい発声」を身につけておけば、10年、20年うたい続けても、年を経る毎に深みを増した「うたのおと」をだすことができます。でも、「間違った発声」では出し続けることによって、最後には「おと」が出なくなってしまう場合も。(オソロシ~。)

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例えば、2、3年前までは「高音」がウリだったのに、今では出なくなってしまって、狭い音域でユルユルうたって、「華を失った某ポップス歌手」とかねぇ~。
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しかも、「うたうたい」は「自分自身の楽器の状態」を「自分の目」でみることができません。鏡の前に立っても音を出す器官である「声帯」は見えません。「声帯」は、ノドの奥深くにあるのですから。正しいか正しくないかの判断は、「出たおと」と「自分のからだの感覚」(あ、今のおと、気持ちよく出せたぁ)だけが頼りなんです。

チェロの弓を弦の上に置いて引くと音がでます。
力の入れ具合や、ウデの角度によって、「いい音」と「そうでない音」があって、ハッキリと違うのが分かります。
「ウデを水平に動かす様子」や、「弦にあたっている弓の角度」は、具体的に自分の目でも確認することができます。
そして、楽器の場合は、そういった「正しい発声の状態」でないと「曲がマトモに演奏できない」んじゃないかなぁと思います。
「うた族」も、もちろん「正しい発声」で演奏することは必須なのですが、「間違った発声のまま」でも突っ走ってしまえるトコロがオソロシ~。

で、この「イメージの具体化」は、TRの「うたの発声時」にも大いに役立っています。
すべての「弦楽器」(おそらく管楽器も)に共通することだと思うのですが、発声する瞬間って、弓を弦に「ぎゃっ!」と叩きつけたりしないですよね。あくまでも「力を抜いた状態」で「すぅっ」と置いてから、響きを「ふぅぅ~ん・・」を広げていくというか・・・。
うたのレッスンでも、「このイメージ」をもって「おと」をだしてみると、先生に

「イイ感じだよぉ!」

と言ってもらえました(^^)

うたごえって、「かみさまからいちばんさいしょにいただいた楽器」なんですよね。(←某雑誌のウケウリ)

TRも「1コの楽器」だったんです。(←極論)

で、今のTRの「チェロ・レッスン」では、「いい音の状態」を維持する「弓の使い方」を特訓中です。
しっかりとからだにたたき込んで身につけたいなぁ、と思っています。

まだまだ書きたいことがいっぱいありますが、今日はココマデ。

【その1】【その2】etc.・・・でページを分けた方がよいかなぁ。。。

(2003/10/07、第2稿、記)
(2003/09/23、第1稿、記)


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